ちなみにこの日は、ノーランの新作『オデュッセイア』もみたんだけど、クソつまらんかったね。てか、「先行上映」ってなに?普通にやってるじゃん。じゃあ普通上映じゃん。アホ?
それはさておき。別になにかを期待していたワケではないけれど、まあ『SEKIRO』ってゲームが大好きなので、それのアニメ作ったっていうなら、見に行くわけです。でさ、映画始まったら急に感慨深くなっちゃって、じーーーーーんと胸が熱くなっちゃったりしたんだよね。超スピードでいろいろ思い出したりして、「あのクソ難しいゲームが、アニメになるなんて、泣いちゃいそぅ・・・」とか思ってたけど、そのあとはなんか、そうじゃねーだろってことばっかやってて、そうじゃねーだろって思うだけだったね。
そもそもね、あのゲームをシステム踏まえた映像化なんて、普通に無理だろって話なので、そういう挑戦がないことはいいんですよ別に。とはいえ、最近の映画には「ゲームをプレイする感覚」を映像に落とし込んだりしてる作品も珍しくないわけで、そういうことしてくれてもいいんだよ?という気持ちがなかったといえば嘘になっちゃう、みたいな、気持ちの、それ。
フロムソフトウェアが2019年に発売した『Sekiro: Shadows Die Twice』ってゲームは、マジ修行みたいな内容で、敵の刀による攻撃をタイミングよくボタンを押して弾いて弾いて弾いて弾いて弾いてると、相手が体勢を崩すからそこをグサーーーって殺すゲームで、これがまあ難しくて、でもそれに慣れていく成長とか、その先でボスを倒したときの達成感とかが、ちょー嬉しすぎる内容なんですね。ま、ゲームってだいたいそういうものだけれど、プレイヤーに本気で挑戦してきているようなギリギリの難易度が、他に類を見ないくらい研ぎ澄まされていて、すげー感動がありましたよ。
ゲームの美味しい部分の大半が、そのゲームシステムのデザインに集約されているので、さすがにね、それをアニメやら映画やらに落とし込むのは難しいですわな。それはいいよ。よくないけど、いいよ。
でもさ、肝心の剣戟アクションシーンのアニメーションが、あんま良くないのは、どうなん。そこはアクションゲームを原作としたアニメとして、もっとなんか、ガンガングングングイグイ動いてくれないと、ちょっとがっかりですよ。というかこのアニメ、全体的にあんま動かない。なんで?予算的なやつ?まあそういう事情もわかりますよ。でも107分もあってさ、全然動かない止め絵のシーンがたくさんあって、しかも不必要に長い間を使ってたりで、テンポがわりーのね。
ゲームをプレイした人からするとかなりあっさり(何回も殺されては挑んでるからさ、こっちは)退場していくボスキャラたちに味気なさを感じる一方で、妙に間延びしたシーンが目立つことにイライラしてくるんだけど、それに加えて映画オリジナルのエピソードとか始めたりしだすから、うーん、違うんじゃない?やっぱ。とかね、ゲームファンは思いますが、アニメ好きとしても、どうかなって思うね。最近呪術廻戦のアニメずっと見てたんだけどさ、あっちのが全然アクション面白かったよ。比べるのもさすがに酷な話ではあるけれど。
でもね、別にそれ含めてかなりどうでもいいなって、最終的に思える要素があってさ、この映画は主題歌に、坂本龍一の『Blu』っていうボレロをまんまやってる有名な曲を使用しててさ、はいはい、ボレロ的な時代劇的な『羅生門』的な黒澤的な、そういう目配せね、ってのがあからさますぎて、しらける。「映画」やってますアピールだけされても、きついわ。実際、羅生門のシーンまんまをやってる部分もあったけど、そーいうんじゃねーよな(そもそも参照作品として、明らかに持て余してるだろ)。つまりさ、「ゲーム」であることとか、どうでもいいんだなって、感じちゃうよね。だって「映画」やりたいんだもんね。うんうん、そうだねって感じ。だからだいたいのこと、どうでもいいなって、なる。
つーかね、劇伴の蓮沼執太ふくめて、音楽がそもそも作品に全然合ってなくて、なに考えてるのかわからなかったよ。蓮沼執太はいい作家だと思うけれどさ、今回の仕事はオーガニックAgraph(牛尾憲輔)みたいな中途半端なことしてて、なに?って思う。まあこれ、蓮沼執太が悪いんじゃないけどさ、よくわからん歌まで歌ってたし何だったんだろ(そういうオーダーだったにせよ)。『ちいかわ』のトクマルシューゴとか、凄いわな、やっぱ。
で、見どころといえば、九朗さまがかわいいくらいしか、個人的にはなかったかな。その九朗というキャラクターの描きかたにも疑問が多く残るけれど、とりあえずちゃんと水に濡れたりしてて色っぽくてかわいかったよね。主人公の狼と一緒におはぎとか作っちゃったりして、「お米は大事」だろとか、思わなくはないですが、おはぎはゲームのアイテムにもあるからさ、かわいかった、ねー。とか言えたらよかったんだけど、これもさ、ビミョーなところ。そんなに、めっちゃ、かわえーって感じもなかった。もっとあざとくてもよかったんじゃねーかな、アニメなんだし、とかね、思いました。
結論としてね、この映画、原作ゲーム要素のどこをフォーカスし切り取るかにすごーく迷いを感じたわけ。言いたいことわかりますね?「迷えば、破れる」って、ことですよ。映画冒頭がカミュの引用(本当の本当に意味不明)から始まってる時点で、もう迷いすぎだろ、って思いまくりでした。おわり。




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